PS 1000pieces 1001☆1001そのひと声を たびの友とし そのひと言で いのち永らえ 「木の間もる 有明の月の 送らずは ひとりや山の 峰を出でまし」20210914 ☆1002 かざおとは 心ならすよ ゆきのねは 命ならすよ 「琴の音を 雪にしらぶと 聞ゆ也 さゆる夜の 峰の松風」20210924 ☆1003 きえるときこそ うるわしくあれ ひとついのちを あざむくなかれ 「あかで入らむ 名残をいとど 思へとや 傾ぶくままに 澄める月かな」20210924 ☆1004 うき世をおさめ たのめるものは みちかけ月より たのめるものは 「いかにせむ さらで憂き世は なぐさまず たのめし月も 涙をちけり」20210924 ☆1005 ぼくはねいらず まつのねをきく ぼくはめざめて かぜのねをきく 「山深き 松のあらしを 身にしめて たれか寝覚めに 月をみるらん」20210924 ☆1006 つぎにくるのは こうかふこうか いまのぼるのは やみかひかりか 「待つほども いとど心ぞ なぐさまぬ 姨捨山の 有明の月」20211015 ☆1007 かわるがゆえに ひとりをてらし きえるがゆえに 言のはをのこし 「世をいとふ 心は月を したへばや 山の端にのみ 思ひ入るらん」20211015 ☆1008 つきはいつでも ぼくをてらすよ つきはきえても ぼくをてらすよ 「さびしさも 月見るほどは なぐさみぬ 入りなむのちを 訪ふ人もがな」20211015 ☆1009 しろき木のはに きみのあしあと とう人なき身に きみのあしおと 「霜さゆる 庭の木の葉を 踏み分けて 月は見るやと 訪ふ人もがな」20211015 ☆1010 ここにいるのは つきがよぶため またもいるのは こえをきくため 「住みなれし 宿をば出でて 西へゆく 月をしたひて 山にこそ入れ」20211104 ☆1011 きみはこころを すでにはなして はなれたあとに 扉さえなくして 「故郷の 板井の清水 み草ゐて 月さへ澄まず なりにける哉」20211104 ☆1012 いついつまでも うつるかげとは いついつまでも のこるきみとは 「さもこそは 影とどむべき 世ならねど 跡なき水に 宿る月かな」20211104 ☆1013 かつらおとこは きみをいざない つきみるほどに きみをいざなう 「なにとなく ながむる袖の かはかぬは 月の桂の 露や置くらむ」20211104 ☆1014 つきのつぶてに ぼくはめざめて ゆめのつぶてに ぼくはめざめて 「真柴ふく 宿のあられに 夢さめて 有明がたの 月を見る哉」20211119 ☆1015 つきをまぢかに あおぐとしても つきのねつさえ そそぐとしても 「あしひきの 山の端近く 住むとても 待たでやは見る 有明の月」20211119 ☆1016 つきはいつでも きみをみていて つきのてらした きみをみていて 「もろともに 秋をやしのぶ 霜枯れの 荻の上葉を 照らす月かげ」20211119 ☆1017 つきのあかりが ぼくにとどくよ うつむいてても むねにとどくよ 「真菅生ふる 山した水に 宿る夜は 月さへ草の 庵をぞさす」20211119 ☆1018 こごえるひでも そらはすんでて あらくるうひも つきはすんでて 「深き夜の 露吹きむすぶ こがらしに 空さへのぼる 山の端の月」20211207 ☆1019 ぼくのまくらを つきがてらすよ あいたまどから つきがてらすよ 「山風に 真屋の葦葺き あれにけり 枕に宿る 夜半の月かげ」20211207 ☆1020 どこまでもおえるよ きめたからには どこまでもてらすよ こころかざせば 「山深み たれ又かかる 住居して 槙の葉分くる 月を見るらん」20211207 ☆1021 なにもみえぬと きみはいいつつ さきはみえぬと そらはいいつつ 「月かげの 入りぬる跡に 思ふかな まよはむ闇の 行末の空」20211207 ☆1022 つきはいつでも ぼくをみていて つきはかわらず きみをみていて 「この世にて 六十はなれぬ 秋の月 死出の山路も 面変りすな」20220113 ☆1023 かけることなき つきをえがこう いまのこころに つきをみたそう 「来む世には 心のうちに あらはさむ あかでやみぬる 月の光を」 ☆1024 つきのごとくに みよはかわれど いともはかなき このみだけれど 「いかなれば 沈みながらに 年をへて よゝの雲居の 月を見つらむ」20220113 ☆1025 ぼくをみてよと つぶやくうちは ここにいるよと みつめるうちは 「唐国に 沈みし人も わがごとく 三代まで逢はぬ 歎きをぞせし」20220120 ☆1026 きみのことばを たよりにしてて ただひとことを こころにとめて 「契りをきし させもが露を 命にて あはれことしの 秋もいぬめり」 ☆1027 せかいはいつも かわりつづけて ひとつのいしで かわりつづけて 「世中の ありしにもあらず なりゆけば 涙さへこそ 色かはりけれ」20220120 ☆1028 憂きばかりではと いいたいけれど 佳きこともあると いいたいけれど 「過ぎきにし 四十の春の 夢のよは 憂きよりほかの 思ひでぞなき」20220204 ☆1029 もうすぐすぎると たえてるうちに ここをしのべばと まってるうちに 「はかなしな 憂き身ながらも 過ぎぬべき この世をさへも 忍びかぬらん」20220204 ☆1030 ながらのはしの 名にもつらなる ゆくすえしらず なにもつらなる 「行く末を 思へばかなし 津の国の 長柄の橋も 名は残りけり」20220204 ☆1031 かわらぬものは どこにもなくて みるものすべて あの日をうつし 「なにごとも 変りゆくめる 世の中に むかしながらの 橋柱かな」20220304 ☆1032 ようやくここまで もどってきたけど あのひをみようと かえってきたけど 「けふ見れば 長柄の橋は 跡もなし むかしありきと 聞きわたれども」20220304 ☆1033 ぼくのこころも かわるのだから みるものすべて かわるのだから 「人の心 あらずなれども 住吉の 松のけしきは 変わらざりけり」 ☆1034 とどろくおとを めにもとらえて くもまくおとを はだにかんじて 「白雲に まがひやせまし 吉野山 落ちくる滝の 音せざりせば」20220304 ☆1035 ぼくのすがたは きえるのだけど きみのなまえも きえるのだけど 「滝の音は 絶えて久しく 成ぬれど 名こそ流れて なを聞えけれ」20220317 ☆1036 ぼくはたずなを もってたつもり いつかたずなを あずけてたのに 「抜けば散る 抜かねば乱る あしひきの 山より落つる 滝の白糸」20220317 ☆1037 まことならばと さらされなれて まことのはずと さらされなれて 「水の色の ただ白雲と 見ゆる哉 たれさらしけむ 布引の滝」20220317 ☆1038 なにもかまわず ぼくはかようよ きみをもとめて ぼくはかようよ 「葦田鶴に 乗りてかよへる 宿なれば 跡だに人は 見えぬなりけり」20220409 ☆1039 ひとがかよいて そこにあるもの ひとがなくとも そこにあるもの 「山人の むかしの跡を 来て見れば 空しき床を はらふ谷風」20220409 ☆1040 見るはまことに しるになりしか あうはまことに 知るになりしか 「をとにのみ 聞きしは事の 数ならで 名よりも高き 布引の滝」20220409 ☆1041 おもいあるのは いのちあるゆえ ただあるくのは いのちあるゆえ 「絶えず立つ 室の八島の 煙かな いかに尽きせぬ 思ひなるらむ」20220409 ☆1042 みにくさだって きみのものなら こけむすまでに そのままにして 「葛城や 渡しもはてぬ ものゆへに 久米の岩橋 苔をいにけり」20220506 ☆1043 まってはいても かわらぬものは ほそきいとさえ たどれるのなら 「糸をろす 方こそなけれ 伊勢の海の 塩瀬にかかる 海人の釣舟」20220506 ☆1044 わすれていても まつは生いでて ないとしてても そこにあってて 「玉藻刈る 伊良湖が崎の 岩根松 いくよまでにか 年のへぬらむ」20220506 ☆1045 はなはいつでも そこにさくのに しおがみちれば なみこえるのに 「潮満てば 野島が崎の さ百合葉に 波越す風の 吹かぬ日ぞなき」20220701 ☆1046 さきのみえてる たびじのはてに さきのみえない つづきあるなら 「今日こそは 都のかたの 山の端も 見えず鳴尾の をきに出でぬれ」20220701 ☆1047 なみだつうみの のぼるさきには あわだつそらの ふれるさきには 「播磨がた 須磨の晴れ間に 見わたせば 波は雲居の ものにぞありける」20220701 ☆1048 海人はしらずに 雲居をめざして ぼくはふたたび うまれていづる 「はるばると 御前のをきを 見わたせば 雲居にまがふ 海人の釣舟」20220701 ☆1049 はるかにてらせ おきにゆくふね なみをつたいて ぼくにつくふね 「難波がた 潮路はるかに 見わたせば 霞に浮かぶ をきの釣舟」20220806 ☆1050 かすみかかれば すがたはみえず みえぬがさきの まことはみえず 「春霞 絵島が崎を こめつれば なみのかくとも 見えぬけさかな」20220806 ☆1051 よせてはかえし よみがえるなら うしないしもの よみがえるなら 「ゆく年は 浪とともにや かへるらん 面変りせぬ 和歌の浦かな」20220806 ☆1052 「心あらば 匂いを添えよ さくら花 のちの春をば いつか見るべき」 ☆1053 「はかなさを 恨みもはてじ さくら花 憂き世はたれも 心ならねば」 ☆1054 「宿もやど 花もむかしに 匂へども 主なき色は さびしかりけり」 ジャンル別一覧
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